服部吉次
略歴:黒テント創立メンバー
わたしは〈俳優〉です。
五年くらい前(75を過ぎて)くらいから、すこしづつ考えが変わってきたように思います。
それまでは経験とか実績とかを大事にしていたのが「俳優ってなんだろう」って考えないと「このさきしぼむな」という予感が切実に迫ってきましたから。
人はだれでも死が近づけはそうなるのよ。と思えば、たしかにその通りなのですが。ぼくは思う。〈俳優〉にとっては、この自覚は特に、ことわけて大切。と気づきはじめたのです。まわりの人々からは「面倒なやつ」と以前から変わり者とみなされてきたので、気づかないかもしれませんが、わたしにとっては、かなり重大な変化です。つまり、いま、「本人紹介」を書く。その「本人」は変化しようとあがいているのです。紹介もクソもないでしょう。でも「強いていえば」いっしょうけんめい勉強しなくては。と考える俳優です。
もう器用に芝居できても、なんにもならないですからね。だから、そのあたりを念頭において、「この俳優はなんか変だ」と思って観てもらえるとありがたい。
反則ですね。観客に「ぼくをこう観てほしい」と注文をつけるのは。しかし、これって大事だと思いませんか。
五歳のころにはじめて「北風さん」という役を、大勢の来客の集まる吉祥寺の家の応接間でけなげに演じて以来。やっとここまで辿りついたのです。〈俳優〉は一生の仕事やなあ、終わらへんな…、とつくづく思います。これからも迷いつづける俳優服部をよろしくお願いいたします。
桐谷夏子
出身:神奈川県
黒テント創立メンバー
趣味:木工、園芸
1970年に自由劇場に入団し、その年の「翼を燃やす天使たちの舞踏」で初舞台
1971年に演劇センター68/71(後に劇団黒テントと改名)結成に参加
以後、ほとんど全てのテント劇場公演に出演。
1980年から海外との共同作業に関わり、ワークショップや作品作りを通して海外との独自ネットワークを作った。
最新作
皇国のダンサー』(2023年)
アジア女性ソロパフォーマンスFes『トランスボーダー』(2023)構成・出演
宗重博之
広島出身。
「まぁなんとかなるだろう」と上京。
大学在学中にテント芝居に魅せられ、黒テント演劇学校に入る。
1978年に入団。100都市に及ぶ全国縦断公演に参加する。
俳優、野球部員、出版部局、舞台監督、制作者として劇団の活動にかかわり、2005年から2013年まで代表を務める。
海外の舞台芸術に関心を持ち、訪問した国は50カ国を超える。
・1988年に国際交流基金の派遣事業で西ドイツに滞在し、民営劇団で活動。
・2008年に文化庁の在外研修で、ベオグラード国立劇場が受入先となる。
近年では、単独でフィリピン、タイ、インドネシア、ベトナム、ミャンマー、北マケドニアを訪問し、各国の演劇関係者らとの継続的なネットワークづくりに着手している。
2015年に国際交流基金アジアセンターのフェローシップでベトナムに拠点を移し、二か国間の演劇交流に取り組んでいたが、2019年にガンが発覚し中断。
しかし、3年がかりでガンを克服し、再び、文化交流活動に挑戦している。
宮崎恵治
1993年に劇団黒テントに入団。
免許・資格:普通免許証
特技:アコースティックギター
趣味:美味しい料理を作ることと、美味しい料理を食べることと、美味しいお酒を飲むこと。映画鑑賞。
小劇場から商業演劇まで、多くの舞台で、活躍中。また、2012年より映像の仕事をスタートさせて、役者の幅を広げている。
平田三奈子
出身:大阪府
特技は日本舞踊、趣味は最近始めた低山登山。
1997年入団以来劇団の数々の作品に出演。劇団外でも舞台や映像作品に出演し、身体表現から朗読、ブッフォンなど表現手段も様々に経験してきた。これからは自分なりの創作活動もはじめたい。
最近は体力作りのため高尾山登山をはじめた。手早く弁当を作り、チャチャッと一人で出掛けて行く。朝の空気は新鮮でで、気持ちがいい。
岡 薫
1968年東京生まれの神奈川育ち。
舞踊評論家を目指して大学に入るも方向転換。卒業後、ふらふらバレエを踊っているところで年齢国籍不問の黒テントの募集に出会う。俳優基礎学校4期、1998年入団。入団後は国内外の作品に出演、ワークショップ講師。日本、フィリピン、韓国、ルーマニア、モルドバ、インド、香港etc…。
一緒に稽古をしていた人が某国家資格を取ったというので触発されて、別の国家資格の保育士資格を取りました。意外と負けず嫌い。趣味は身体の事と献血。
2010年よりパフォーマンスユニットスカベッキ共同主宰。
免許・資格:自動車普通免許、自動二輪
特技:クラシックバレエ、アルトサックス、エレクトーン
坂口瑞穂
演出部
生年月日:1973年5月12日生まれ
出身:熊本県
1998年入団。2008年4月より黒テント芸術監督就任。
劇作家、演出家。
日々、気になったことや、思いついたことを戯曲でスケッチしています。「これからの戯曲」というブログにまとめています。黒テントの公演のための戯曲も書いています。毎年、江戸川区の子ども未来館で、子どもたちと絵本を作ることもしています。後、空いた週末にはバレーボールや野球の仲間に入れてもらって遊んでいます。いつの頃からか、自分のいろいろと出来ないことが、楽しくなってきました。
熊本から出て来て、東京で過ごした時間の方が長くなりました。実家は、菊池川が有明海に流れ込む河口近くにあります。学校にも川を眺めながら通っていましたし、夏には海でアサリや、習字筆を使ってシャクを採っていました。大学をやめようと思って、実家に帰った時に父が釣りに連れていってくれたのも、満月の夜の突堤でした。海面に映る月の光はまっすぐ自分の方に向かっていました。どこに移動しても海面の月光はまっすぐ自分に向かってきます。その時に、光は自分に見えるものしか見えないのだと初めて知りました。あの苦い潮の香りは今でも頬骨の奥に残っています。
本木幸世
2000年劇団黒テント入団。2011年座・高円寺内 劇場創造アカデミー1期生修了。
身長:164cm
音域:D2〜D6
資格:美術館/博物館学芸員
特技:トランペット、日舞、バレエ、ジャズダンス
趣味:ヨガ、園芸、旅行
学芸会や学園祭では悪役を演じ、謎の好評を得る。大学は美術を専攻し、研究職を目指していたが、舞台美術という授業でバックステージや舞台稽古を見学する内に演劇に惹かれ、黒テントのオーディションを受ける。卒論提出1週間前までライブハウスで公演をしていた為、ギリギリの成績だったものの、なんとか大学を卒業。以後、インドネシア、オーストリア、フィリピン、韓国などの海外ツアーやテント公演、野外プールシアター公演など多数経験。近年では映画、ドラマ、CMなど映像作品にも積極的に参加している。
コロナ禍以降は月1回のペースで行う参加型のzoom朗読イベントを継続的に主催している。
山本健治
出身地 京都府
略歴 黒テントアクターズワークショップ4期生を経て2006年入団。
趣味 スポーツ観戦、
20代半ばまでは京都で普通に働いていましたが、一念発起し上京。
舞台芸術学院、円演劇研究所を経て30代で黒テントに入団する。
公演の時は車両班としてトラックを運転することが多い。
基本劇団の用事がないかぎり車は運転しないペーパードライバーですが、最近たまに車に乗ると、どこか遠くまで旅に出たいなぁと思う衝動にかられることがある。